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​名誉会長挨拶

名誉会長

​瀬田敦子  Atsuko Seta

この度、日本ヒナステラ協会が発足するという嬉しいニュースを頂き、また私をその名誉会長にという身に余るご依頼を頂戴し、恐縮ながらも満を持してやる気満々でお受けした次第です。

 

ヒナステラは私にとって特別な作曲家で、彼の作品を演奏するといつも私のピアニスト人生に幸運がもたらされると言っても過言ではありません。たとえば、ヒナステラの作品を演奏したいと願って口にすると、必ずチャンスが訪れるのです。そして本当に不思議なほどの幸運な出会いに恵まれ、普通なら考えられないような形で夢が叶うのです。

2003年のクリティッククラブ奨励賞受賞、イタリアのヒナステラ特別賞受賞、2004年にはカーネギーホールでソナタ1番の演奏、次から次へと「こうなったらいいなあ…」が実現したのです。

ピアノ協奏曲第一番も、譜読みするだけで気が遠くなるような難曲なのですが、必ずオーケストラと共演できるチャンスは来ると信じて練習に励んでいると、現地トヨタがスポンサーして下さり、ポーランドのオーケストラとの共演が決まったのです。

極めつきは、タイのチェンマイへ移住してから素晴らしいFAZIOLIに出会い「このピアノを使ってヒナステラの生誕100年の2016年にヒナステラの名を打って国際音楽祭を開きたい!」という夢を語ったのですが、その私の奮闘ぶりが日本のTVで放映され、たくさんの方々が応援して下さり、あれよあれよと実現したのです。

同時にチェンマイヒナステラ国際音楽コンクールも発足し、私にヒナステラを教えて下さった恩師デルガード先生を審査委員長に迎え、日本から住谷弥生さん、高木直樹さん、小倉裕貴さん等若いピアニストが次々とヒナステラ特別賞に入賞されました。

この国際音楽祭&コンクールは毎年開催され、2018年にはこの音楽祭で上海フィルハーモニーとヒナステラピアノ協奏曲の共演が実現しました。そして中国でヒナステラの魅力を広めたいと口にしたとたん、中国各地でマスタークラスに招聘していただき、今若い中国人ピアニストがどんどんヒナステラのレパートリーを増やしてくれています。

25年前、ヒナステラ没後10年記念コンサートをデルガード先生の門下生達で恐る恐る演奏し始めた頃から思うと、今やヒナステラの音楽は怒涛のような勢いで人々を魅了しているのではないでしょうか!?

 

さて、その「一度聴いたらとりこになる!!」というヒナステラ作品の魅力とは?

 

「アルゼンチン民族音楽の独特な哀愁と情熱、そして強烈なリズムと破壊的なまでのエネルギー」・・・でも月並みな言葉では言い尽くせない何かもっと大事なものがあります。

そう!本当にとりこになるのは、彼の作品につらぬかれている普遍的メッセージかもしれません。「人間の知性のみに語りかける作品は、けっして人間の心に触れることができない。私たちは人間の感情を忘れてはならない。それは永久に不変なのだから」この彼の言葉どおり、その音楽は私たちの感情に直接語りかけてくるようなインパクトがあります。何となく先が見えない現代社会を生きる私たちにとって「人間の感情を忘れるな!」という当たり前のメッセージは、心を解放し、未来へ風穴を開けるような爽快感があるのです。

また、ヒナステラは「自ら壁を作ってはいけない」という言葉も残していますが、20世紀の作曲家として、前衛的な技法を縦横に使いこなし、自由自在に、痛快なまでのテクニックに挑戦しました。普通の奏法では弾きこなせない数々の難曲は、私たちピアニストをも「自ら壁を作るな」と励ましています。

私はアルゼンチンピアニストのE・デルガード教授に出会い、ヒナステラを演奏する事で人生観が変わりました。学生時代から勤勉にピアノの練習に励み、試験ではもちろんコンサートの最中でさえ反省しながら演奏している自分でしたが、ある日気付いたらヒナステラを嬉々として笑いながら演奏している自分がいたのです。そこにはテクニカルな問題を心配する心は一切無く、ただ自分の感情に素直に向き合い、解き放たれた心で自由に表現する私がいました。時には大得意でぶっちぎりのノリノリで演奏を楽しむほどに....その頃から国際コンクール優勝をはじめ、幸運が舞い込んできたのです。

今、演奏家としてこのように幸せな人生を送れる事も、彼の魂の導きのように感じられ、どんな時も一音入魂の精神を忘れないでいろんな作品に寄り添いたいと思うようになりました。

そしてその気持ちは「人の心」に寄り添って生きるという、人間として豊かな人生をも導いてくれたように思います。

 

「ヒナステラの魅力を少しでも多くの方とわかちあいたい」この思いを胸に名誉会長という重責をお引き受けし、少しでもお役に立てる事を心から願ってやみません。

 

瀬田敦子

 

ポーランドシュタブノズルイ名誉市民

タイ王国パヤップ大学名誉教授

チェンマイヒナステラ国際音楽祭芸術監督

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